2008年12月25日

ぶどう収穫要員用バウチャー 後日談 1

こちらはですね・・・何と二ヶ月以上前からまとめようとしていて、とうとう今までかかってしまったものです。
長くなりますので何度かに分けて掲載します。

過去記事「ぶどう収穫要員リクルート用バウチャー?」の、極めてイタリア的な後日談。
そちらをまだ読んでおられない方、内容をお忘れの方は、先に上のリンク先を読み返していただくと、下の記事内容 --- というのは、ヴェネト地方のある小さなぶどうと自社ワインを生産する農場経営者の方の談話なんですが --- がわかりやすいと思います。


*

ヴェンデンミアが近づいて来た頃、年金受給者と学生のみを対象にしたバウチャーを、ある程度枚数に余裕を見て購入。

去年までずっとそうしていたように、一週間の休みを取って我々の丘に連なるぶどう畑に収穫しに来るつもりだった友人夫婦は、ショックを受けていた。
まだ年金生活者でない彼らが、かねてから望んでいたように無料奉仕するということ、こちらから農場でのレクリエーションに彼らを「招待」するということは、もう許されなかったからだ。

彼らは、年金保険公社への申告を通じて、金をもらっての就労者あつかいになってしまったことで、いささか気を悪くしていた。
が、他に仕様がない。
違反してヴェンデンミアに参加したところを見つかろうものなら、極めて重い経済的制裁(具体的には相当な高額の罰金刑)を受けることになるのだから。

高校生たちはといえば・・・冷夏で収穫が遅れた今年、ぶどうが熟すのを待っているうちに九月も後半に差しかかってしまい、そうするともう学校が始まってしまったので、手伝いには呼べなくなってしまった。
(筆者注: 九月後半なら大学生はまだ暇だったはずですが、なぜこちらの生産者さんが大学生を呼ばなかったのかは不明。大学生の知り合いがいなかっただけかも知れません。)

つまりもう、あの、丘の上に登ってぶどうで一杯になった重い籠を運ぶのに充分な体力に溢れていることで知られる年金生活者(というのは当然嫌みだが)に手伝ってもらうしかなくなったわけだった。

いずれにせよ、7人の年金生活者の助けを借り、少なくとも彼らに就労してもらうヴェンデンミア期間中の税務、年金掛け金、労災保険などなどに関しての彼らのポジションは正規に申告したので、税務署の査察が来ても問題ない、という安心感をもって2008年度のヴェンデンミアを終了。

しかし、だ。
さて、次は支払わねばならない。
が、どうやって?
もちろん新しく出来たバウチャーを使って支払うことが決まりになっている。
ただし、はなはだ遺憾なことに、バウチャーはまだうちには届いていなかったのだが。

地方によっては、あらかじめ予約してありさえすれば、収穫開始の何日か前には既にバウチャーを受け取れた農場も随分あった。
しかし、あいにく全体で何千枚もが予約されていたヴェネト州では、結果的に多くのカンティーナにバウチャーが遅配されることとなった。

それで我々の場合はどうしたかと言えば、取りあえず自前で立て替えて就労者に前払いしたのだ。
バウチャー申し込み時にその代金はもちろん払ってあったので、一時的に二重に出費したことになる・・・。

*


上の談話でもわかるように、イタリアでは、新しいことが導入されると初年度は決まって「なし崩し」状態。
何もかもがことごとくテキトー、そして、それなのに罰金は取られるとなるとしっかり取られる。

日本にもある程度は存在する状況なのかも知れませんが、当地ではとにかく生産者の方々は、生産そのものの大変さもさることながら、こういった本来はお役所が整然と進め、管理してくれても良さそうな(また、そうしてもらうためにみんなが税金を払っているはずの)問題によってまで、年中、恒常的に悩まされ続けているのです・・・(苦笑)。







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