第1回目
第2回目
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それでも今回の措置には、誰も文句を言ってはいなかった。
生産者側は「少なくともこれでぶどう畑の中で警官や税務査察官に取り囲まれるのではないかというような怖れや心配なしに収穫できたのだ」と努めて満足しようとしている。
ヴェンデンミア期の臨時就労を正規なやり方にもっていくことが間違っているわけではない。
今年みたいに頭を抱えたくなるような方式はゴメンだが、システムさえよく整備されているなら、これまでは非公式な収穫祭だったものを「正式なお祭り」にさせてもいい、という気でいるのだ。
就労者側にも文句はないのだ。
だって、もし無断で就労して査察に見つかったら、年金を取り上げられるのだから。
いくら何でも、郵便局での行列のほうがそれよりはマシだというわけだろう。
かくして不法就労は排除され、就労者への年金も保証されたことになる・・・
・・・のだが、ちょっと待てよ。
彼らのうちの年金生活者たちは、元々、既に受給者だったんじゃないのか?
彼らのそれぞれが三十年や三十五年は働いて、既に自分の年金を確保し、リタイアしているはずじゃないか。
もう掛け金など必要としていなかったはずじゃないか。
ではヴェンデンミア用のバウチャーで支払った「所得税」は、一体どこへいくのだろうか。
そう考えていくと、こんなものは結局、まるで会社経営者、(年金生活者である)就労者、そして気の毒な郵便局員への正真正銘の罰か嫌がらせであるとしか思えない気もするのだ。
どれだけ事情に通じているのかはわからないが、ある人が言うには、来年からは全てインターネット経由で手続きできるようになるはずだという。
なるほど結構なことだ、と言いたいところだが、ただし、申し込みをするのは年金生活者の側でなければならないのだ、と。
もし本当なら一体どんな状況になることか、あなたには想像できるだろうか?
年金生活者の中にもITに親しんでいる人々はいるが、皆が皆、そうだというわけではない。
田園地帯に、インターネットに繋がったコンピュータを持っていて、オンライン記入するのに慣れている年寄りなど、そうたくさんいるはずがないし、ヴェンデンミアに来るのはそうした年寄りのほうが多いはずだ。
まさかヴェンデンミアのためだけに、お年寄りが年金からのわずかな蓄えでコンピュータを買ったり、使い方を憶えたりできるわけではないだろう。
つまり、そういった煩雑なことの全ては、結局生産者側が代行することになってしまうのではないだろうか。
・・・来年度からの事務手続きの簡易化は、もはや必須であろうと思われる。
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イタリアとは、妙な新法も沢山できれば、またそれらに修正も加えられ続け、どんどんわかりにくくなっていって、役人の一人一人でさえ「現行バージョン」に完璧に追いついた、全国の同僚たちとも足並み揃った知識というものを持っていない、というカオスが常態になっている国でもあります。
そのために法や条例の解釈が現場の役人一人一人によって違い、場合によっては他の査察員になら問題視されないような瑣末なことで、特定の査察員からは非情にも激しく高額な罰金を課されてしまう・・・といったようなことも発生します。
これまでは、それもまた運のうちである・・・という、とんでもないスリルとの戦いが当たり前だったのですが、ここまで苦労してバウチャーを使ってのリクルートを受け入れるのですから、せめて手続きがシンプルになり、査察員による「玉虫色の解釈」もなくなればいいです・・・よね?
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